真夏の昼の夢

【※注意】女体化ネタ有(ネタです)/ ちょっと下品。ゴメン / ギャグですヨ……



「あれ……ここはドコ?」

気づいたらボク、小野田坂道は南の島(なのかな?)の砂浜にいた。目の前に宝石のようにきらきら輝く綺麗な青い海のビーチが見える。聞こえるBGMは波の音。ボクは木製のビーチチェアに寝そべっていた。ベンチの横にはプラスチックの丸いテーブルと、頭の上には強烈な日差しを避けるための大きなビニールパラソル。海からの湿った風が日陰の身体に心地いい。なんだかスゴく「リゾート」っぽい景色。ひっそりとしていて、体育館ほどの広さの岩場に囲まれたこの砂浜の近くには誰もいないみたい。プライベートビーチ、ってこんな感じなのかなぁ……。

「起きた?坂道」
「……誰?」
声のした方に振り返ると、アンニュイな雰囲気をまとった長い髪で、白い水着姿の美女がボクの方に近づいてきた。ゆるくウェーブがかかった玉虫色の髪。憂鬱そうなまゆ毛に長いまつ毛、目元と口にはセクシーな黒子と薄い唇。
――ボクがよく知っている男の人に似てるけど、あきらかに違うのはその性別だ。
頭に挿している派手なハイビスカスの赤い花がいかにも南国気分、って感じ。彼女(女?)はいつもよりすこしだけ肌が焼けている。
「何言ってるんショ?南の島まで来て……」
やれやれ、まだ寝ぼけてるんショ。と美女はあきれたようにボクに話しかける。はしゃいじゃって、飛行機の中で寝てなかったからそうなるんだヨ。フライトの前にあれだけ言っておいたっショ?と優しく叱られた。
彼女の着ている白いビキニが、照りつける太陽よりもボクの目には眩しく映る。スレンダーな身体に豊かな胸、腰の横でリボンを結んで臍の下を包む白い三角州。細い腰は反則すぎです。
「どっちにする?」
彼女は両手に持っているドリンクをボクの方に差し出した。その右手には大きな四角いグラスに飾り用のチェリーとカットされたパイナップルがセットされた青い液体、左手には大きな丸いグラスに大粒の葡萄とこちらもカットされたグレープフルーツがセットされたピンク色の液体が満たされている。
「じゃ、ボクは青い方がいいな」
ネオン色のストローで吸った青い液体は炭酸が入っていて、ひたすら甘ったるいシロップの味がした。

緑髪の美女はボクの隣のビーチチェアに座り、ハート型の変形ストローでピンク色の液体をちゅっと吸った。
「せっかく海に来たんだから泳ぐっショ。それとも……。もしかして、泳げないの?」
と彼女はボクに対して疑問を挟んだ。
「泳げますよ。ちょっとだけど……」
学校のプールで25mがやっとだけどね。でも、ガンガン泳ぐより、波間で戯れるのがこういうところのマナーだろう。たぶん。
「まぁ、別に泳がなくてもいいんだケド……」
気怠いフェロモンを発する美女はボクのほうに身をすり寄せてきて。顔が触れ、唇を交わした。柔らかく甘い唇のふにゃっとした感触。彼女のほうがボクに侵入してきたので、受け止める。しばらくの後、二人の間に透明な糸がぬるっと引かれた。
「随分上手になったネ。もう我慢できないっショ……」
肌が色づき上気した彼女は艶っぽく微笑むと、ボクの片手を左手で優しく握り、右手でボクのメガネを外した。
「坂道は、おっぱいのほうがいい?それともおクチ?」
……えっ、何ですかその選択。どういう意味なんですか???

「うーん、どっちかというと、……かなぁ……」



「坂道!寝てんナ!」
…………と言うところで、DVDケースの隅でポコッと小突かれてボクは起こされ、目が覚めた。アイタタ……。
「あれ……まきしま……さん……?」
「確かに、このDVDに収録されてるレースの展開はちょいと退屈かもしれねーケドさァ、お前は場数踏んでないんだから、その分映像でもいいからレースをたくさん見ておくのも勉強の一つっショ。インハイは終わったけど、またレース出るんだろ?」
そう、ここは南の島のヴァカンスじゃなくて千葉県立総北高校の狭い自転車競技部の部室で。さっきの場所と共通するのは「暑い夏」という所だけ。ボクと巻島さんは部室に備え付けの古いテレビで海外のロードレースのDVDを見ていたのだった。
「せっかく良い所だったのに……ひどいです」
「何ショ?」
「おっぱい……無いよね……」
まだ半分くらい夢のなかにいるボクは確かめるように、巻島さんの平らな胸をもみもみ触った。……勿論、おっぱいは付いてない。
「なっ、何するっショ、坂道ィ!同性でもセクハラはダメ、ゼッタイっショ!!!」
寝ぼけたボクからイタズラされて、うわわっと明らかに動揺した彼の前で、ボクは肩をガクッと落とした。
「うわーん、もうちょっとでイイこと出来たのにー!巻島さんのバカ、バカ……!」
お楽しみを邪魔された怒りから、ボクは強い力で彼の身体をがんがん揺さぶった。
「わッ、止めろっショ!」
(おっぱいとおクチ……何だったんだろ。やっぱ、……アレ?)
ボクの心のなかはモヤモヤしっぱなしだ。

「えーと。坂道……なんだ。スゴく言いにくいんだケドな、」
ゴホン。とひとつ咳をして、巻島さんは何か言いにくそうに口を濁した。頬が赤みがかっている。
「? 何です?」
「……あのナ。ここで一旦休憩しても、いいぜ?DVDの再生は止めておくから」
「(うわぁ……)」
ボクの健康な下半身はさっきの夢であきらかに反応してしまっていた。のだった。
「生理的なアレは、まぁ。オレたちオトコの子だから、仕方ないっショ……」
「うう、すみません……」

涙目になったボクは部室の外へ急いで走り去った。……ほんと、恥ずかしい!

【END】
2012/07/17(猛暑日)七篠



<あとがきという名で言い訳で>

ハハハハハ(乾いた笑い)
……えー、ほんと下品ですみません;お粗末さまでした。中学生の妄想か!って感じですよネ。
昼寝してた時に女体化水着姿の巻島さんが夢に出てきたのでソレを元ネタにして書いてしまいました。反省はしていない。w

妄想の続きは各自補って下さい!(逃げ